Cygwin も mintty を採用するようになったので、久しぶりに Rockbox の環境を再構築してみました。
基本的にはRockbox をコンパイルする#1の内容でいいのですが、やはり少しずつ変わってきているので、そのあたりを言及しつつ、まとめておくことにします。例によって iPod Video を対象としているので、iPod Video 用のバイナリを作成するのに必要なもののみにとどめています。
cygwinの公式サイトから cygwin をダウンロードしてインストールします。
以前は、http://download.rockbox.org/cygwin をダウンロード先として追加していましたが、ここから取得できるクロスコンパイラはもう使う必要がないため、適当なダウンロード先を指定して以下のパッケージをインストールします。
cygwin を初めて起動すると、設定ファイルがいくつか作成されますが、mintty のデフォルト設定がイケてないので、ホームディレクトリに .minttyrc ファイルを以下の内容で作成しました。Font には好きなフォント名を指定します。改行コードは当然ながら LF にします。ファイル作成後、cygwin を再起動すると少しは良くなります。
BoldAsFont=no Font=Ricty Locale=ja_JP Charset=UTF-8 FontHeight=12 Columns=80 Rows=25 Transparency=medium Term=xterm-256color RightClickAction=paste OpaqueWhenFocused=no PgUpDnScroll=yes
シミュレータを起動できるように、次は SDL をインストールします。SDL は stable version の 1.2.15 を使用しました。
curl -O http://www.libsdl.org/release/SDL-1.2.15.tar.gz tar zxvf SDL-1.2.15.tar.gz cd SDL-1.2.15 ./configure make make install
一旦ホームディレクトリに戻って Rockbox のソースコードを取得し、次にクロスコンパイラを作成します。
cd git clone git://git.rockbox.org/rockbox cd rockbox/tools/ ./rockboxdev.sh a
最後の a は対象のクロスコンパイラ(arm)を選択します。以前は arm-elf-eabi ということで e だったのですが、少し変わったようです。そして相変わらずものすごく時間がかかり、私の環境(CPU Intel Core i5, Memory 16GB)では、21時間くらいかかりました。CPU やメモリには十分余裕があり、おそらく Raid 0 でも古い HDD のせいで Disk I/O で頭打ちになっていると思われるので、SSD や Ram Disk 上でやればもう少し早くなる気がします。
クロスコンパイラがビルドできたら、次は Rockbox 本体をビルドするため、まずはビルドの設定をします。
cd ~/rockbox/ mkdir build cd build ../tools/configure 22 N
22 は、ビルド対象として iPod Video を指定していて、次の N は、Normal ビルド、つまり、iPod Video 本体で動かすためのビルドであることを指定しています。
続いてビルドを行います。make -j の -j は、マルチプロセスでコンパイルを行うようにしているだけなので、なくてもかまいません。ターゲットに fullzip を指定すると、iPod Video にインストールするモジュールを zip ファイルに固めてくれます。
make -j make fullzip
最後に、生成された zip ファイルの中身を iPod Video 本体に解凍してブートローダをインストールすれば(未インストールの場合)、完了です。
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