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Rockbox をコンパイルする#4   2007/06/09 (Sat)  23:32  [iPod]

Rockbox をコンパイルする#3の続きです。rockbox のシミュレータを起動するための設定になります。


1. まずはシミュレータをビルドするためのディレクトリを作成します。cygwin を起動後、以下のコマンドを実行します。

$ cd rockbox/
$ mkdir build-sim

2. 次にシミュレータのコンパイルを行います。コンフィギュレーションを行うため、以下のコマンドを実行します。

$ cd ~/rockbox/build-sim
$ ../tools/configure

対象のプラットフォームを指定します。私の場合、iPod Video なので、「22」を指定しました。
次に、メモリサイズを聞かれますが、私のは iPod 5G 30GB なので、デフォルトの 32MB を指定するため、単に Enter キーを叩いています。iPod 5G 60GB であれば 64MB を指定してください。他のモデルについてはよく知りません。
次に、どれをビルドするのか聞かれるので、シミュレータを作成する「S」を指定します。

Makefile の作成

3. 2. までで、 ビルドの準備が整ったので、次は eclipse でビルドするための設定を行います。

eclipse の「C/C++ プロジェクト」の rockbox のプロジェクトを右クリックし、「プロパティー」をクリックします。左側の「C/C++ Make プロジェクト」を選択し、「Make ビルダー」タブにて、「ビルド・ディレクトリー」に、「\rockbox\build-sim」を指定します。
ここで、マルチコアの CPU を利用している場合は、「ビルド・コマンド」の「デフォルトを使用」のチェックを外し、「ビルド・コマンド」に「make -j」を指定すると速くなります。
「OK」ボタンをクリックすると、自動ビルドが有効になっている場合はビルドが始まります。

C/C++ Make プロジェクト C/C++ Make プロジェクト

4. 次に make ターゲットの作成を行います。

「C/C++ プロジェクト」の rockbox プロジェクトのツリーを展開し、「build-sim」フォルダを右クリックし、「Make ターゲットの作成...」をクリックします。そのまま「作成」ボタンをクリックします。
なお、マルチコアの CPU を利用している場合は、ビルド・コマンドの「デフォルトを使用」のチェックを外し、ビルド・コマンドに「make -j」を指定します。

all ターゲットの作成 マルチコアの CPU の場合

同様に、install のターゲットについても作成します。
「ターゲット名」に「install」を、「Make ターゲット」に「install」を指定します。マルチコアの CPU の場合は、ここでも同様にビルド・コマンドに「make -j」を指定します。

install ターゲットの作成

5. 次に、実際に make を行います。

「C/C++ プロジェクト」の rockbox プロジェクトのツリーを展開し、「build-sim」フォルダを右クリックし、「Make ターゲットのビルド...」をクリックします。自動ビルドの設定になっていない場合は、ターゲットから「all」を選択し、「ビルド」ボタンをクリックするとビルドが始まります。
ビルドが終わったら、次は「install」のターゲットについてもビルドを行います。

Make ターゲット

6. eclipse からシミュレータを起動できるようにするため、設定を行います。
「C/C++ プロジェクト」の rockbox プロジェクトを右クリックし、「プロパティー」をクリックします。左側の「C/C++ Make プロジェクト」を選択し、「バイナリー・パーサー」タブをクリックします。一覧から、「PE Windows パーサー」にチェックを付けます。なお、必要なさそうだったので、「Elf パーサー」のチェックを外しています。

バイナリー・パーサーの設定

7. デバッグの構成を作成します。
シミュレータの実行には SDL.dll が必要なので、C:\cygwin\usr\local\bin から SDL.dll を、build-sim ディレクトリにコピーしておきます。
「C/C++ プロジェクト」の rockbox プロジェクトのツリーを展開し、「build-sim」のツリーをさらに展開すると、「rockboxui.exe」が見つかるので、右クリックします。メニューから「デバッグ」-「構成およびデバッグ...」をクリックします。
左側から「C/C++ ローカル・アプリケーション」を右クリックし、「新規」をクリックします。「引数」タブを開き、「作業ディレクトリー」の「デフォルトを使用」のチェックを外し、「${workspace_loc:rockbox/build-sim}」を指定します。

作業ディレクトリの設定

次に、「デバッガー」タブを開き、「GDB デバッガー」に「C:\cygwin\bin\gdb.exe」を指定します。「始動で停止」のチェックは外しておくといいかもしれません。

デバッガーの設定

次に、「ソース」タブを開きます。既存の「ソース・ルックアップ・パス」は除去し、「追加」ボタンをクリックして「ファイル・システム・ディレクトリー」を選択し、ディレクトリーに「C:\cygwin」を指定します。

追加 ソース・ルックアップ・パス

「デバッグ」ボタンをクリックするとデバッガが起動します。図はシミュレータの初期画面です。

シミュレータ起動画面

あとは、通常のデバッグと同様に、ブレークポイントをセットして、デバッガの起動を行うだけです。
なお、ソース・ルックアップ・パスのあたりは設定がちょっと微妙なのですが、とりあえずうまくいきそうだったのでこの設定にしています。

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