Rockbox をコンパイルする#3   2007/06/09 (Sat)  23:16  [iPod]

rockbox のソースコード修正を行う際、デバッグ作業が発生するかと思いますが、cygwin 上で gdb コマンドを利用したコマンドラインでのデバッグは面倒だと思われます。そこで、rockbox と eclipse を連動させて、デバッグを楽に行おう、という趣旨のエントリです。
当然ながら、毎回実機にインストールしてテストするわけにもいかないので、Windows 上で動かせるようにしたシミュレータを利用したテストを行います。
なお、Rockbox をコンパイルする#1Rockbox をコンパイルする#2に基づいた rockbox のコンパイル環境を利用することを想定しています。


1. まずは eclipse のインストールから。

使用した eclipse のバージョンは 3.2.1 です。入手元は Eclipse Project です。eclipse-SDK-3.2.1-win32.zip を C:\ に解凍します(C:\eclipse に eclipse.exe が解凍されるように解凍します)。
言語パックを当てたので、NLpack1-eclipse-SDK-3.2.1-win32.zip も同様に解凍しています。
さらに、C言語用のプラグインをインストールする必要があります。Eclipse C/C++ Development Tooling - CDTより、CDT 3.1.2 と CDT 3.1.x Language Pack をダウンロードし、org.eclipse.cdt-3.1.2-win32.x86.zip と CDT_NL_3.1.1.zip を C:\ に解凍します。

なお、Eclipse の起動に JRE が必要なので、Java.sun.com より、JRE をインストールしておきます。

解凍後のフォルダ内容

2. eclipse.exe を実行し、「ワークスペースの選択」にて「C:\eclipse\workspace」を指定して起動します。

ワークスペースの選択

3. プロジェクトの作成を行います。
まず、メニューより「ウィンドウ」-「パースペクティブを開く」-「その他」を開き、「C/C++」を開きます。

パースペクティブを開く

「C/C++ プロジェクト」が開くので、そのウィンドウ内で右クリックし、「新規」-「スタンダード Make C プロジェクト」を選択します。

新規プロジェクト

プロジェクト名に「rockbox」を、「デフォルト・ロケーションの使用」のチェックを外し、ロケーションに「C:\cygwin\home\<username>\rockbox」を指定し、「終了」ボタンをクリックします。なお、<username> の部分は、cygwin のホームディレクトリと合わせてください。※ワークスペースの更新処理等が行われるため、しばらく時間がかかります。

C/Make プロジェクト

処理が終了すると、rockbox プロジェクトのソース構成が図のようになっているはずです。ソース構成が「バイナリー」と「アーカイブ」のみの場合は、一度 eclipse を再起動してみてください。

rockbox プロジェクト

4. 次に、rockbox のプロジェクトに make や gcc へのパスを設定します。
「C/C++ プロジェクト」の rockbox のプロジェクトを右クリックし、プロパティーをクリックします。「C/C++ Make プロジェクト」をクリックし、「環境」タブを開きます。
「新規」をクリックし、「名前」に「PATH」、「値」に「C:\cygwin\usr\local\bin;C:\cygwin\usr\bin;C:\cygwin\bin;C:\cygwin\usr\X11R6\bin;C:\cygwin\opt\sh\bin;C:\cygwin\opt\m68k\bin;C:\cygwin\opt\arm\bin;%PATH%」を設定します。

環境タブ

次からシミュレータのための設定になるのですが、長くなってきたのでひとまずエントリを分けます。続きはRockbox をコンパイルする#4を参照してください。

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